海鼠が美味い。海鞘が美味い。もうすぐ夏が来る。
二宮金次郎(尊徳)が、夏前に茄子を食ったら秋茄子の味がしたことで冷害(天保の大飢饉)を予想し、農民に寒さに強い作物である稗を植えさせた、という話がオラは好きだ。真偽は別として、日本人の中の季節に対する思いを表しているような気がする。
肉まんの冬とか冷やし中華の夏は当然として、季節にはまったく関係ないのにある季節を連想する食べ物や飲み物ってないですか?コーヒーの匂いってなんとなく冬っぽい。カレーはやっぱり夏でしょ。不二家のLOOKチョコレートは春だな。いや、それはどうかな。アメリカンドッグ(あれさ、昔フレンチドッグって言ってなかった?)は秋よ。これはたぶんお祭りの記憶だ。
野菜や果物から季節感がなくなった、などと言われて久しいけれど、それははたしていろいろな野菜が一年を通して手に入るようになったからなんだろうか。失われてゆくのは季節ごとの味ではなく、味と思い出をリンクさせるオラ達人間の身体の中の何かだという気がする。
さ、コンビニで買ったチロルチョコきなこもちを食べよ。嗚呼、春の夕暮れだ。なんだか泣けてくる。
落ち込んで 苦しくて 思いやりが欲しい時 何もかもがうまくいかないそんな時
目を閉じて思い出して すぐにあなたのところへ飛んで行く どんな暗い夜も明るくしてあげる
ただ名前を呼べばいい どこにいたってわかる あなたに会いに走っていく
冬も 春も 夏も 秋も 冬も 春も 夏も 秋も
名前を呼べばそれだけでいい 私はそこにいる あなたには友達がいる 友達がいる
「You’ve Got A Friend」~CAROLE KING