昔書いた短編シリーズ第三弾(だっけ?)

                     「渋滞」
 「つまり、その・・・」俺はしどろもどろになりながら言い訳を続ける。せっかく女がここまで腰の座った演技をしてくれているのだ。ここで怯えたり困ったフリ位してやれなきゃ男がすたるってもんよ。惜しむらくはこの場面に観客がいないことだが。それにしてもこいつはカンだけが頼りとはとても思えないほど物事の本質を突いたことを言う。やることも本質的で不実を責めながらも手は俺の股間に乗ったままだ。そういえば学生の頃アパートで包丁持ち出す騒ぎになった時も「今日はこの後盛り上がるだろうなぁ、コンドーム切らしてるんだよなぁ」とか考えてたそうだ。
 「だいたいどうして私が不倫相手なんて立場にいる訳?一番昔からあんたと付き合ってるのに」「そりゃぁ、もちろん・・・」と言いかけて俺はやめた。努力に見合った報酬を得ていないという感覚は生きている限り誰にでも付きまとう。その正当性を客観的に判断するなんて普通は出来ないが、この娘に関しては証言しよう。仰る通りで。なにしろ俺は淋しがり屋といい加減さには絶対の自信を持っていて、その分女の子に本当に気を遣っている。この娘は俺を欲しがっていると感じたら、どんなに惨めに卑屈になっても自分から口説いてやる。金は出さなくても泊まるリゾートホテルの質を落としたことはない。ところがこいつにだけは何故か「今こうしているだけでもう何もいらない」という思いをさせたことが無いような気がするのだ。それでいて結婚もしなかったんだからそりゃ文句のひとつも言いたくなるだろう。
 ここにこうして車を止めてからもうどれ位経ったのか、ひんやりした夏の夜が周りにやって来ていた。どこか会話の途中、句読点じゃないところでキスしてしまえば、いつもより帰りが少し遅れる程度のことなんだが、なんだか久しぶりに今まであった悲しいことを数えなおしてみたくなり、俺はシートを戻して車をインターに向かわせた。「もう帰るの?」彼女の問いに答えず、俺はつまらないことを考えていた。(逆方向に乗って「このまま何処か遠くに行こう」とかなんとか言ってやろう。すると「そんなことしちゃいけない、次のインターで降りて帰って」って必ず言えるいい女なんだよなこれが)。道は空いていた。予定通り東京方面のレーンに車を乗せると、彼女はチラッと俺を見た。あまり嬉しそうにしないのでムッとしたが、考えてみればずいぶん勝手な感情だ。「ねぇ」「ん?」「やっぱりいけないわ。家に帰らなくちゃ」。俺が「セリフ」を言い出すより先に彼女が口を開いた。「ありがとう、長い間。あなたのこと決して忘れない」。それだって決まり文句みたいなもので、電話という悪魔の発明がある限り心を残したサヨナラなんてもうこの世には無い。
 俺がラジオのスイッチに手を伸ばしたその時だった。「あれ?」前車がハザードを点滅させている。スピードがガクンと落ちた。事故があったようだ。「まいったな、こりゃ・・・」高速は完全に止まってしまった。30分ほど過ぎた頃、ラジオの交通情報がトレーラーの事故が起きたこと、渋滞は10kmを超えて復旧の見通しはまったく立っていないことを伝えた。「どうするの?」今度ははっきりと嬉しそうに彼女が言った。「仕方ないよ。待つしかないだろ」「奥さんにはなんて嘘つくの」「嘘なんかつかない。黙っているだけだ」「ふうん」。しかしちょっとしたポーズ作りが面倒なことになったな、と思ったら確かに俺はイライラした。
 「窓を開けてもいい?」またもう少しはしゃいだ声で彼女が言った。「あぁ」。濃い、森の匂いがいっぱいに流れ込んできた。「事故ったのが、私達だったら良かったのに」。良かった、のところで急に声が小さくなった。「私達が事故って、このまま、一緒に、二人で、一緒に」。泣き出した彼女の手を強く握り締めたら、俺も突然心の底からそう思った。「そう、俺達だったら良かったのにな」。だとしても、二人で一緒にいられはしないだろうに。
 下り車線をオートバイが走っていった。俺達は、それきり黙ったまま、長い永いテールランプの列を見つめていた。
[PR]

# by livehouse-uhu | 2008-10-26 21:55 | Comments(4)  

遠野物語

 「人間は尊きものを助けないのに何故尊きものが人間を助けなくてはいけないの」
                                            (雨童子~HOLiC)

 人間同士の取るに足りないイザコザなんか小さいものだ、と言わんばかり。
雨童子にとって救うべきはアジサイの下に埋められた少女の遺体(霊魂)ではなく、
その悲しみを吸い上げてしまうアジサイ。アジサイこそが自然のままに尊きもの。
正確には「人間は尊きものの存在に気付かない」なのかな。
尊い人なんて言い方もあるけどこれじゃハナから成り立たないね。
そういえばちょっと前に「崇高なる魂」とか自分で書いたっけな。
僕はまだまだ夢見がちだということ。少しは人間を信じている。

 僕の故郷は座敷童子(ざしきわらし)の本拠地(?)です。
7人で遊んでいるといつの間にか8人になっている。
1人も知らない顔が無く、1人も同じ顔はない。でも確かに1人増えている。
その、増えた1人が座敷童子。
家の中に、動くもの(例えば不在時の不法侵入者)に反応するセンサーを取り付けたら、
もうその家はお終いだと思う。筋道立てて説明は出来ないけど。

 静岡市の方、尊きものを見たい時は晴れた日の県庁21階展望室が良いですよ。
遠くかすかにガラス越しだけど南アルプスの山々。無料です。空いてます。ソファもあります。

 生まれて初めて結成したフォークデュオの名前は「The四季ぼっこ」。
「座敷童子」のことです。(岩手の方言でわらし=ぼっこ)。
うむむ。こりゃ恥ずいわ。特にしょぼい当て字が・・・。
ここまで書いていまさら全部消すのもめんどくさい。中学の頃の話だから。
サイドギター(うわ~、この言い方もなんだかな!)担当だったクドケン君、元気ですか? 
[PR]

# by livehouse-uhu | 2008-10-24 15:04 | Comments(3)  

枯野をかけるブルース

 かつて「あこがれ」というよりは「尊敬」に近い感情を持っていた人から、
「理想家でいいじゃん!ロマンチストで悪いか!」というメールをもらった。
いや、年下なんだけど。多分褒めてくれたんだと思う。
(ところで尊敬したり師事する相手ってあんまり年令の上下は関係ないね)。

 いくら俺でもたまには励ましてもらわないとな。
どこか北欧の民話に出てくる「石の心臓」を持った男じゃないんだから。
(こりゃ怪しいと思って今調べたらドイツの童話だった。あぶねぇあぶねぇ)。
僕は現実主義者だ。そのくせ夢を捨てられない。中途半端。実に中途半端。
場合によっては命取り。ビジネスパートナーからは罵られ、
夢を託したミュージシャンからは軽蔑される日が来るんじゃないだろうか。
(今か?ま~た自虐)。
僻んでいる訳ではなく、ある程度の覚悟は持っているつもりだ。
畳の上が大好きなのだが。

 けれども。歌は。歌は。歌だけは。理想とロマンを唄っている。
敵でもいい。手が届かなくてもいい。絵空事でも、夢物語でもいい。
きっとどこかに。この広く淋しく戦いの絶えない世界のどこかにある美しいものを。
僕は唄っているんだよ。拙くて格好悪い声で。下手なギターで。
今までも。これからも。バカにされても指差されても。
そしてそういうミュージシャンがUHUに集まってきてくれている。

 身近でいつも応援してくれる人、遠い空から便りをくれる人、
つっぱらかってて照れくさくて素直にお礼をいえないことが多い。
感謝してます、ありがとう。

 一昨日、妹尾隆一郎バンドで素晴らしいライブを聴かせてくれた
ウエストロードブルースバンドのギタリスト塩次伸二さんが昨夜突然亡くなったそうです。
なんということ。まだ信じられません。UHUがラストライブになってしまったのでしょうか?
あんなにお元気だったのに。旅したブルースマンの魂に安らぎが訪れますように。
ご冥福をお祈りいたします。
[PR]

# by livehouse-uhu | 2008-10-19 19:45 | Comments(6)  

 お墓は太平洋

 「日本の人からたくさんの血をもらったので本当の日米混血になれた気がする」
   (1964年3月24日、日本人に刺され虎ノ門病院で輸血を受けたライシャワー駐日大使)

 政治的判断や気の利いたジョークとして言える言葉でないことはすぐに分かるだろう。
そして母国アメリカが日本を非難しないように牽制した訳でもない。
狂った1人のために多くの日本人が気に病まぬよう、ただその思いやりが詰まった言葉。

 国民性などは無く、個があるだけ。そんな論に僕は与しない。
逆でしょう?どこの国にも個を超えた崇高なる魂があるということなんだと思う。
穢れや血縁に縛られないことが日本人に難しいのは確かだ。

 ライシャワーさん、「菊と刀」とかきっと読んだんだろうなぁ。
天皇陛下とも親交があったんだから並の日本人より日本人。

 菊花賞も取ってさ。春の天皇賞3200mなんか2度勝ってる。
それはライスシャワー・・・。最低だな、お前(オレ)!    
[PR]

# by livehouse-uhu | 2008-10-13 21:57 | Comments(2)  

防寒アウターの歴史(岩手県沿岸南部)

 小学校の低学年までは「アノラック」。ナイロン地の綿入れみたいなもん。
スキーに行くときもそれ一本。もちろんゴアテックスなんて無いから、
コケてばかりいると水浸しになるんだ。イヤでも上手くなる。
 
 ここに高学年で「ヤッケ」が参入する。これがオシャレだった。
「アノラック」と違って前開きじゃないの。上から被る作りになってて、
横ジッパーの胸ポケットとフードが特徴。色もカラフルでね。
基本的にペラペラナイロンの薄手で保温力は弱いんだけど、下にセーターを組み合わせて
あっちゅう間に市内の小学校を席巻した。てっぺんの平らなニット帽もセット。

 中学校の入学時にデニムのサファリジャケットを買ってもらった。
おいおい、どんどん薄くなってくじゃないか。釜石は公害の元祖的粉塵被害が酷かったから、
世界に先がけて温暖化してたのか!?この年頃は肉体の発熱量が大きかったんだろうね。
ブリヂストンヤングウェイファイブ号
(5段変速・オーバルギヤ・ディスクブレーキ・トリアルタイヤ・電子フラッシャー無し)で
北風の中をビュンビュン走った。ここ読んで爆笑してる男性読者の顔が目に浮かぶぜ。
女の子は何言ってるかわかるまい。

 高校に入学した時、中学時代から有名だった他中学のバスケット部のキャプテンが、
ダッフルコートを着てたんだ。ダークグリーンと黒のチェック柄。
背ぇ、高ぇ。格好いい。なんていうんだろうあのコート。釜石で売ってるのかな。
僕が学生服の上に着てたのは厚手のジャージとばあちゃんの編んだマフラー。
あの日僕はファッション界には自分の居場所が無いことに気付いたのかもしれない。
受験で上京するずっと前に。あぁ良かった。負け惜しみじゃないぞ。
てか、なんだよファッション界って。

 釜石シーウェイブスの練習風景の写真で、若手選手が短パンとラグビージャージの上に
「ヤッケ」(決してウインドブレイカーではない)を着ているのを見ると、胸がじぃんとします。

 「何故ガウンを着て入場しないかって?このオレの肉体以上のガウンが有るのかい?」
                       4の字固めで有名な「クラッシャー」ザ・デストロイヤー
[PR]

# by livehouse-uhu | 2008-10-07 15:32 | Comments(2)  

男と女の間には

    今では他人と呼ばれる二人に けして譲れぬ生き方があった
                                            「風の道」大貫妙子

 大貫妙子が女性であることに僕は勇気付けられる。
この歌詞を書いたのが女性だということに。
世の多くの女性が喜んでいると思われる(つまりヒットしている)歌詞の中には
「女の子はこれを言われて本当に嬉しいのか!?」というセリフが結構有り、
男同士の飲み放談では散々に悪口を言いながら
「もしや僕は性差から来る根本的な感受性の違いを全然わかってないのか?」
「ああいう歌を唄ってる芸能人は、はじめから受け手のニーズをよんで
思ってもいないことを言葉にしているのか?」
「いちいちツッコんでる僕こそがバカの親玉か?」等と、時に不安になるからだ。

 いや、まぁ、それはまったくその通りかもしれんが。

 むやみに女々しい男もやっぱり男。なかなかに雄々しい女も結局は女。
埋められぬ溝の存在は当たり前。しかし自分の感性がそれを絶対に越えられないと、
はじめから判定されてはつらい。個々に否定されるのはやむなし。
そりゃ男同士でもしょっちゅう有るわさ。

 「君を守るため そのために生まれて来たんだ」
えぇ?そのために!?他になんか男としてやりたいこととか夢とかは・・・。
 「君は僕の全てさ もう何もいらない」
そうすか。
 「君に出会うまで僕は 本当の愛を知らなかった」
前の女性と付き合ってたときも一生懸命愛したって男の方が信用できるんじゃぁ・・・。

 ことほどさように、僕は女性の気持ちがわからない男ですが、
勝負的オシャレをした女性がカウンターバーで飲んでる時、
高いイスの上でたまにお尻をずらすのは何故かは知っています。
何故なのかも、何故知っているかもここでは書きたくない。
[PR]

# by livehouse-uhu | 2008-10-05 15:09 | Comments(4)  

心を蝕むもの

 「もうしばらくしたら、殺人よりもゴミの垂れ流しの方がはるかに重罪だということに気付く」                                                 
                                          広川剛志「寄生獣」

 射殺された広川を確認して、「これ・・・人間ですよ・・・」
と言ったときの自衛隊員の困惑顔が忘れられない。

 殺人との比較はともかくとして、罪の軽重には多分に主観が入り、
それゆえ設定(?)された対価(?)に納得がいかない場合も多いのだが。

 今かなり酷いと思うのは迷惑メールや勧誘電話の類である。
誰が聞いたって一瞬で詐欺だとわかる与太話を一日何百件と電話する男。
同窓会名簿を頼りに実家に電話をかけて「シンヤ君の同級生で・・・」と嘘をつくヤツ。
ご近所の人妻がどうだの書くのも憚られる様なカスメールを送ってくる組織。
作ってるやつがバカすぎてエロくも無ければグロでさえ無い。

 音信が途絶えてた昔の友人に連絡を取りたくて実家に電話すると、
勧誘電話にイヤな思いをさせられた経験の有る親が警戒して連絡先を教えてくれない。
病気の家族の状況や大事な商談メールを心待ちにしている合間に飛び込んでくる、
腐った言葉の羅列迷惑メール。

 お前らのやっていることは、時として本当に強盗殺人並みに罪が重い人の心への冒涜。
思い出や愛情や信頼や、今まで人の歴史の中で暴力や戦争でも壊せなかったものに
その自覚すら無くお前らは手をかけている。もちろんそんな事をしてる連中は、
とっくに自分の心の崩壊っていうしっぺ返しを受けてるんだろうけど。
それくらいじゃきっとすまされないよ。

 お天道様は見てるからな!バチかぶるぞ!記録天使がいる!大魔神が来るぞ!

 おぉ怖ぇ。夜釣りの時に昼間よりちょっとゴミに無頓着になるの、気をつけようっと。
[PR]

# by livehouse-uhu | 2008-10-02 21:20 | Comments(5)  

シーウェイブス、ウイン!!

 どうだ!みたか!釜石のランニングラグビーを!
正直、三菱重工相模原ダイナボアーズ相手のこの初戦は厳しい試合だと思ってた。
ほとんどトップリーグ級の戦力だと聞いていたし。
盛岡南球技場に集まったファンが後押ししてくれたんだな。
29対20。我慢に我慢を重ねて一瞬の逆襲から勝利をもぎ取ったらしい。
地元で働きながら過去の栄光に驕らずそしてすがらず戦うシーウェイブスよ。
今日も日本の片隅で、故郷のみんなの頑張りに勇気を貰ってる岩手県人がいるぜ。
忙しかったり生活が苦しかったり、なかなか応援には行けないが心は松倉グランドに。
奇跡への道はやっと始まったばかりだ。

 静岡県の皆さん、今トップリーグで日本一を争うヤマハ発動機磐田ジュビロは、
1982年の創部当時「釜石のような素晴らしいチームになりたい」という気持ちを込めて
釜石と同じ赤い色のジャージにしたそうです。ありがとう。いやいやお前が偉そうにお礼言うな。
[PR]

# by livehouse-uhu | 2008-09-14 20:08 | Comments(10)  

ワンダと巨像

 つまるところ、ひとはあきらめきれないのだな。
まぁなんだ、その、いろんなものを。とどかぬもの、うしなったもの、にどとあえないものを。
ひらがなはなかなかによいな。かたかなよりはすこしよみやすいし。よみにくいか。

 「鋼の錬金術師」も「キョンシー」も「イザナギノミコト」もみんな諦めが悪い。
それは近所の居酒屋○波のおやっさんも、ボウリングの後輩○本も、
競輪選手内田慶の家族も同じだ。もがき、悶え、苦しみ願い続ける。
ウソであって欲しい、間違いであってくれ、奇跡が起きてくれないだろうかと。
だけどやはりいつかはケリをつけなければならない。
賢治が言うところの「きちがひにならないための生物体の自衛作用」として、
どこかで思いを断ち切らなければ残された者は明日を生きられない。

 「ワンダと巨像」。
もういないと思ってたアグロが足を引き摺って現れたとき失神しそうになった人、いるべ!?

 追記。
 個人的な感想ですが(ボス部屋はぜんぶそうか?)、義務教育で古事記を懇切丁寧に
教えなければますます日本の将来は危ないと思います。
ギリシャ神話なんか相手にならないその瑞々しい情緒。まさに宝物。

 もうひとつ追記。
賢治は(自衛作用を)「けれどもいつでもまもってばかりいてはいけない」とも言ってるね・・・。
[PR]

# by livehouse-uhu | 2008-09-12 15:29 | Comments(0)  

対案を示して欲しい

 だいぶ以前の話だがポール・ボネ氏の「不思議の国ニッポン」に
障害のある生徒を集団でいじめた生徒を殴った先生のことが載っていた。
殴られた生徒の親が訴えて先生は停職になったそうだ。
では先生はどうすればいいのか、という趣旨だったと思う。

 いかなる場合であっても体罰は許されないと仰る方々よ、
迷える子羊の首を抱き、涙ながらに訴えることには意味があろう。
子羊はあなたの心を感じ、勝手な行動を悔いるかもしれない。
飢えた狼ですら、食べ物を与えて群れの温かさを教えれば導くことが出来るかもしれない。

 捕食でも種の保存本能でもなく殺戮を求める癌のような遺伝子に何を伝えろと。
仮に暴力を持ってでも対峙しようとする先生は高邁ではなかろうか。
[PR]

# by livehouse-uhu | 2008-09-03 21:13 | Comments(2)  

 恥ずかしい言葉

 路上で唄い終ったアオケンとフリーキィへ。
ビールを飲むものの、店を出てから完全にもう一軒モード。

オレ(以下オ)「焼肉いかねぇ?」
アオケン(以下ア)「いいっすねぇ。でも・・・」
オ「なんだよ、でもって」
ア「いやぁなんかこう、駒形方面に・・・」
オ「あ・・・塩水ウニ?」
ア「へへ、塩水ウニ!」
オ「よしいくべいくべいくべ、早く自転車とってこう!」

ア「やっぱここのウニは最高だなぁ」
オ「お前何勝手に頼んでんだよ!」
ア「いやいやボスも半分どうぞ」
オ「牡蠣も食おう」
ア「コマイ下さ~い」
オ「お前何勝手に頼んでんだよ!」
ア「いやいや、じゃボスがでかいの1匹、オレが小さいの2匹」
オ「オレさ、小さい頃箱に入ったウニなんか見たことなかったぜ。あれ不味いよな」
ア「そうなんすか~、岩手じゃみんな瓶にはいってるんですか」
オ「親方!こいつね、焼肉いこうっつったら西の方見て駒形が・・とかぶつぶついうんですよ」
親方「ははは、そりゃいい選択したね。デビューしたんだからお金あるっしょ」
二人ユニゾンで「全然無い!!」
オ「しかし街中のチェーン店の『一生懸命営業中』っていう看板、やだな」
ア「ははは、じゃ『都会の隠れ家』は?」
オ「ぎゃ~激しくやだ!」
ア「あと『宇宙船地球号の乗組員』」
オ「ぎゃははは、看板じゃね~じゃんそれ。『普段使い』」
ア「うわ~うぜ!『おひとりさまのスイーツ』」
オ「ぶほ!ようし極め付け出すぞ。『子供達は未来からの留学生』」
ア「ぐわ~、そりゃやだな~、なんか他のヤツの10倍いやですそれ!」

 最後の方はイスから半分落ちて身悶え、親方も隣のお客さんも苦笑いのバカコンビでした。

 今回「ボスはまだボウリング無敗なんだ」と思った人、ボス部屋通と認定します。 
[PR]

# by livehouse-uhu | 2008-08-27 13:02 | Comments(0)  

祭りの後

 もう一度オリンピックをスポーツの祭典として考え直すなんてことは無理だよね。

 継続的にボス部屋を読んでいただいている皆さんはご存知の通り、
僕はいつも心情を吐露するだけで活動や提言はしない。めんどくさいからだ。
時代に棹をさす気はないのです。自分の舟のバランスをとるだけ。
それじゃ悪いやつらのおもうツボ?うん、そうかも。
いつか澱みから流れを見つめることになるのか、冷たい水底に沈むのか。
海には出そうもない。せめて潮の香りを嗅ぎたいな。

 今回も競技自体は素直にいろいろ面白かった。
ブログに取り上げるのは紅白以上に気が引けたが、
せめて最後にひとつ位なんか書いておこう。

 柔道100kg級鈴木桂冶日本選手団主将。
期待も虚しくメダルどころか1勝も出来ずに敗退した。

 僕は講道館柔道初段である。
格闘技未経験の一般人で体重差10kg以内なら5秒で1回転させる自信がある。
数年前、中学の柔道部で練習の手伝いをした(コーチなんてとても無理)。
遠征の強豪中学の生徒と試合すると、全力で必死にやってなんとか引き分けるのが精一杯。
その生徒が静岡県中学柔道大会でコロリと負ける。
彼らの中の飛び抜けたのが成長して高校へ進学、インターハイに出場したとしよう。
各県の代表クラスになるとスピード、パワー共ほとんどモンスターだ。
一般人相手なら体重差が50kgでも担ぎ上げるような連中である。
その高校柔道73kg級の優勝者が全日本柔道の無差別級で試合したとしよう。
おそらく10秒立っていられない。何が起きたかすらわからずに負ける。
その頂点に鈴木桂冶選手がいて、国内で100kg級の相手をすべて畳に叩きつけた。
そして、同じようなあるいはもっと過酷な試合を世界各国から勝ち抜いた選手同士が
オリンピックで対戦する。お互いが対戦相手のビデオを50本以上チェックし、
組み手について数百種類のシミュレーションをして試合に臨む。
はじめの声が掛かり、袖や奥襟を取った0.1秒後に得意技を相手にぶつけ合う。
百年以上かけて研究され、完成され、それを受け継いで十年以上練習し続けた技だ。
鈴木桂冶選手クラスがコンクリートの上で払い腰を掛けたら、相手を即死させられるという。

 「油断するからだ」「根性が無い」「実力不足」と思った方。

 やってみろ。 
[PR]

# by livehouse-uhu | 2008-08-26 15:45 | Comments(2)  

小岩井農場パート9

 僕は変態ではない。
本物の変態さんに比べたら自分が変態だなんておこがましくてとてもとても。
性的興奮につながる行為や状況は確かにあまり一般的では無いかもしれない。
あるいは頭の中の勝手な想像では、まさに鬼畜、悪魔、獣の所業も行ったりする。
もしここで書いたら、読んだだけで失神する女性が何人か出る可能性がある程だ。
筒井康隆氏の「エンガッツィオ指令塔」も真っ青!?しかし、変態ではない。

 何故なら。

 愛が必要だからだ。たいしたことないよな。愛が無きゃ出来ないなんて。普通。

 じぶんとそしてもうひとつのたましひと
 完全そして永久にどこまでもいっしょに行かうとする
 その変態を恋愛といふ
 そしてどこまでもその方向では
 決して求め得られないその恋愛の本質的な部分を
 むりにもごまかし求め得ようとする
 この傾向を性欲といふ
                                               宮澤賢治
[PR]

# by livehouse-uhu | 2008-08-23 22:27 | Comments(0)  

地上の夢

 10レースまで負け続けてて。最終レースに森且行が出る。元SMAP。オートレーサー。
オートニュースに写真が載ってる。くだらねぇアイドルグループの一員だったなんて
とても想像がつかない戦士の顔。そもそも才能もガッツも普通じゃない。
デビュー当時、オートレースなんか知りもしない女子の来襲に顔をしかめてたおっさん達が
140kmで転倒したその日の夕方練習に出てきた森を見て「ただもんじゃねぇや」とあきれてた。
普段なら森の頭(1着)では高配当は望めないが、折からの雨でレースはがらりと変わる。
雨巧者の若井や加賀谷がいて森は人気薄。
残念ながら時間の都合でレース本番は観られそうにない。
前売りを買って的中した場合、新幹線で払い戻しに来る事になるが・・・。
つまり少なくとも10万円以上になる車券じゃないと割に合わない(この思考回路が問題だろ)。

 6番森から1番高橋、2番加賀谷へ3連単で2組、2400円(半端だ!)ずつ合計4800円。
配当は200倍以上で当たれば最低でも50万円はある。ハズれたら記念に取っておこう。
これほどまでに「ハズれて悔い無し」と思った車券は久しぶりだ。
オレは何故か充実した気分で風の吹き抜ける川口オートレース場のスタンド席を後にした。

 「え?レース不成立!どういうこと?うん、うん、レース前の試走で1人落車、
土砂降りの雨でレースが始まったとたんに事故!?森はなんとかかわしたけど
数人が巻き込まれて事故車がコース上に!審判団の判定でレース中止・・・あ、そう・・・。
で、車券ってどうなるの?え!買った値段で返還!?」

 4800円返して貰う為に60日以内に埼玉県川口市に来いって。めちゃ中途半端。 
[PR]

# by livehouse-uhu | 2008-08-22 19:59 | Comments(0)  

頭の上降り注ぐ夏の日差しじりじり

 「新しいスカイラインはねぇ、エンジンはいいんだけどコーナーでややサスが甘いんだよね。
まぁ一級品のスポーツ性能と最低限の居住性を調和させたのは評価するんだけどさ」
「へぇ、そうなんだ。どこで試乗したの?まさか買ったんじゃないよね?」
「え?乗ったことはないよ。オレ、免許持ってないし。月刊自家用車で読んだ。」

 こんな人間をみなさんはまともに相手にしますか。友人として信頼しますか。
近隣諸国で靖国神社を非難している人達というのはそういうことです。
だってどんなところか知らないんだから。もちろん自分の目で確かめたことなんかない。
何かで読んだか、マスコミの垂れ流しを信じ込んだだけ。
そもそも靖国に遺骨があると思っている人までいる。

 わざわざ断るのもしゃくだが、何度も書いている通り僕は右翼でも左翼でもない。
思想を頼りに唄ったことはないし、何か世の中に訴えるべき信念もない。
ただ自分のまわりをこつこつ守って耕すだけのちっぽけな男だ。

 例えば従軍慰安婦、例えば南京大虐殺について、「多分こうなんじゃないかな」という
自分なりの想像はある。だけどたかだか十冊や二十冊の本で仕入れた知識で
論評するなんて怖くて出来ない。臆病者だからね。
もしそれをするなら勉強する本の量を三千冊にするか、
仕事も家族も捨てて一生を調査に賭けなければならないと思う。
それをやっている人は偉いと思うが。

 だから靖国に関しても誰に行って欲しいとか、行って欲しくないとかまったく思わない。
悲しいのは。不思議なのは。そんなの変だなぁと思うのは。
靖国に行ったこともなく、A、BC級戦犯とは何か説明も出来ないのに、
「戦争を賛美してるんでしょ?」「A級戦犯が祀られてるからダメだよ」と言う人がいること。

 僕にはバリバリ左翼の活動家の友達がいる。軍服着て黒いバスに乗ってる友達がいる。
在日韓国人、アメリカ人、自民党の秘書、共産党員の弁護士の友達がいる。
みんなが一致する。戦争は悲惨だ。無くなって欲しい、戦争なんか大嫌いだ。

 今日8月15日に、僕は靖国神社を擁護したいんじゃありません。
そんな偉そうなことは出来ないし。ただ、この目で見たことを伝えたい。
靖国神社遊就館。一度でいい。行ったらわかります。
愛する人を守るために命賭けて戦い、力尽き倒れた兵士が残した
全ての手紙が、展示物が、そこに掲げられた言葉が、一心にこう語っている。
もう二度とこんなことが起こりませんように。こんな悲惨な戦争に
二度と若者が巻き込まれませんように。世界中から戦争が無くなって平和が実現しますように。
九段の敷地の端から端まで全部がそう訴えてる。
戦わざるを得なかった兵士の誇りや悲しみを代弁はしても、
間違っても戦争を賛美してなんかいない。
よほど読解力が無いか、ひねくれていない限りすぐにわかるはず。
「え!?そうなの?」と意外だった人がいるならとりあえず書いた意味はあった。

 目を閉じて感謝と追悼を。結局そんなことしか出来ないから。
今年もまたサイレンが鳴る。甲子園は青空。平和の中、僕らは唄う。今夜もライブです。 
[PR]

# by livehouse-uhu | 2008-08-15 15:39 | Comments(3)