将来警察官になることを夢見ていた女の子が中学校柔道部の部活で大外刈りという技で投げられ命を失った。こうして文字にしただけであまりに辛く悲しく涙が出そうになる。親御さんの気持ちはいかばかりか。
お父さんは「せめて小中学生には大外刈りを禁止すべきだ」として全柔連に3000万円の損害賠償を求め提訴したそうだ。第1回口頭弁論終了後に「これほど柔道事故が起きていることは異常だ」と語っている。
裁判にすることの是非や勝ち負けに関してはめずらしく(?)何も言うべきことが浮かばない。様々な立場の人が討論し検証し事故を減らしてもらいたいと月並みに願うだけ。
思い出したのは、天才柔道家小川直也と故橋本真也のプロレスリング上での戦い。
橋本が何度も何度も何度もマットに叩きつけられたSTO(スペシャル・トルネード・オガワ)こそまさに柔道の大外刈り。大外刈りに加えて相手の首を固定し腕も掴んで足を払い体重を乗せて浴びせ倒すのだから受け身を取ることは非常に困難だ。
倒されても倒されても立ち上がる橋本。もういいよ止めてくれと観客が思った藤波のレフェリング。いろんなことが重なりもしかしたら橋本の命を縮めた。
格闘技は危険だ。決まってるじゃないか。安全な訳がない。
格闘技か。ひとつはっきりしていることがある。格闘技をすべて禁止したら戦争は増える。