2018年 05月 02日 ( 1 )

 

月下ライナーⅣ

 午後から降り始めた雨は安倍川の河川敷を覆い、月も木星も見えない。でもこの灰色の空の上に月も木星もきっといる。

 きっと?間違いなくいるだろ。でも僕らは(気取るなよ、オラ達だろ!?)それを知識として知っているだけで確たる証はない。

 仕方がなく天体望遠鏡を地上に向ける。川向こうの自動販売機に爽健美茶がある。そう、そんなことまではっきり見える。

 ああ、今夜もまた鉄橋を渡る最終の新幹線だ。雨にぼやけた窓の中で眠る人、本を読む人、もしかしたら泣いている人。

 オラはどこからきて、どこへ。



 やさしい心に責められながら

 娘はどこまでゆけるだろう

 下唇を噛んで つらい気持ちで

 美しい夕焼けも見ないで

               「夕焼け」〜吉野弘

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by livehouse-uhu | 2018-05-02 23:58 | Comments(0)