2017年 11月 23日 ( 2 )

 

慈愛

 天皇・皇后両陛下が鹿児島県の屋久島、与論島、沖永良部島を訪問された。口永良部島ではなんと島民の半数近くが集結して両陛下を歓迎したそうだ。

 両陛下が離島を大切に想い、離島の人々を励ます旅をお続けになるのは、大都市よりも大変な暮らしや様々な不公平を考えてのことだろう。弱き者、小さき者にこそ心を寄せるそのお姿が日本人を導くのだ。

 日本人だけではない。
 

 2000年5月、天皇・皇后両陛下はオランダを訪問された。オランダにとって日本は植民地インドネシアを奪い、多くのオランダ人を捕虜としたかつての敵国である。反日感情は強く、1971年に昭和天皇が訪問された際には車に卵を投げつけられた。

 オランダのメディアは過去の戦争のニュースを繰り返し、一部では行事の遂行を心配する声もあったという。そんな中、両陛下は戦没者記念碑の前でおよそ1分間頭を下げ黙祷をなさった。

 長さの問題ではない。もしそこに本当のお心を感じなければ、オランダのマスコミも国民もすぐに見抜いたことだろう。そばでご覧になっていたオランダのベアトリクス女王は目に涙を浮かべていたそうだ。
 
 その様子が報道され、驚くべきことに日本(両陛下のオランダ訪問)を非難する報道はピタリと止まる。想いは通じたのだ。
 
 翌日、両陛下はアムステルダムの障害を持つ子供達の養護学校を訪ねる。そこで皇后陛下は机に伏せて動かない女の子にお気づきになった。頭には紙で出来たおもちゃの王冠。女の子は両陛下をお迎えしようとはりきり過ぎて到着前に眠ってしまったのだ。

 皇后陛下は「かわいそうだから」と女の子を起こさなかったのだが、途中で目を覚ました女の子はお出迎えが終わってしまっていたのでがっかりして泣き出してしまう。そして気持ちを抑えきれず、皇后陛下に向かって走りだした。

 「皇后陛下とオランダの女の子」

 きっと、人と人は、わかりあえる。オラのような下賤のものでも、そう信じたい。


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by livehouse-uhu | 2017-11-23 21:05 | Comments(0)  

見えない鎖Ⅳ

 たまたまここ数日書いていたことに関連する話題が目に止まった。

 殺人事件で懲役12年の刑を受けて服役し、冤罪を訴えている女性の再審請求。医師や弁護士など多くの人が彼女を支援し、大阪高裁が近く決定を下すらしい。

 注目を集めているのは彼女が捜査段階で自白した理由で、取調官に好意を持ってしまったからだそうだ。何故好意を持った人に「自分が殺人犯だ」とウソの供述をするのかは疑問だが、医師や臨床心理士は軽度の知的障害があると診断していて、その影響も指摘されている。

 真実がどちらなのかはわからない。しかしもし冤罪だとすれば、本当に気の毒なことだ。逮捕から13年も経っており、服役も辛かったろうし、一審、二審、上告審と無実の訴えが退けられ、刑務所で自暴自棄になって扉を蹴飛ばしたり、扉に頭をぶつけたりして何度も懲罰を受けたという。

「今振り返れば、暴れていたのは発達障害も原因だと思うんですけど、私は冤罪やということを体で表現していたんです」と語っている。

 裁判の結果がどうあれ真実はひとつ。どうかその真実が認められるように願うしかない。

 再審開始の決定をうけ(もし)無罪判決がとれたら、やりたいことはなんですか、と記者が訊ねた。

 「車を運転して、お父さん、お母さんと色んなところに・・・」

 さて、ここで「ちょっと待て!たとえ本当に無罪でもお前は車の運転はやめとけ!!」と思った人がいたとして、はたしてそれは差別だろうか?
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by livehouse-uhu | 2017-11-23 12:09 | Comments(0)