東京は好きですかIII

 東京砂漠。他人との関わりをなるべく避ける乾いた人間関係の比喩だろうが、それは別として現実の東京は実はとても緑が多い街である。

 皇居(吹上御苑)にはたくさんの巨木があり、日本にいる昆虫の約一割の種が生息しているそうだ。その他石神井公園や浜離宮恩賜庭園など、緑あふれる場所があちこちにある。

 オラが生まれて初めての就職(こういう書き方って普通しないよなぁ)をして仙台から上京した時に働くことになったのは日本プレスセンタービルだった。隣は日比谷国際ビルを中心にした日比谷シティで、田舎者のオラはその一帯を日比谷だと思っていたが、住所は内幸町だった。

 そして日比谷公園。かつて大日本帝国陸軍近衛師団の練兵場だった場所は、先人が命を賭して守った祖国の平和と繁栄を象徴する憩いの場になっていた。

 いつも近くのビルの中で一番しょぼくて居心地がいいイイノビル(当時の関係者の方、ごめんなさい。数年前に建て直して立派になったそうですね〜)の地下で昼飯を食っていたオラは、あまった昼休みを日比谷公園で過ごした。

 その年の夏と秋、日比谷公園内の日比谷野外音楽堂でRCサクセションのライブがあった。オラはスーツを着て駅に向かいながら、遠くからかすかに聴こえてくる「いいことばかりはありゃしない」に、ほんの数年前の仙台のライブハウス「キャプテンアン」での日々を思い出していた。

「この大都会の夕暮れはみんなてんでバラバラでひとりひとりが孤独な獣のようだ」と考えながら。

 そうか、コンクリートジャングルともいうもんな。砂漠とジャングル。相反するふたつの顔が東京なんだ。

[PR]

by livehouse-uhu | 2018-05-13 11:47 | Comments(0)  

<< ハチドリの羽音II 文具店は夢の国II >>