月下ライナー

 「ムーンライトながら」

 草木も眠る丑三つ時の10分前、真夜中の静岡駅を発車する夜行快速列車。

 闇に魑魅魍魎が蠢き、山中では憎き相手を呪う白装束の女が藁人形に五寸釘を打ち付ける頃、静かにやってくる185系電車。以前は183系(これって東北本線の特急だったヤツだよね?調べてから書けよ!?)で定期運航していたが、今は臨時列車だ。

 バブル華やかなりし頃、真夜中の居酒屋ではしゃいでいた独身OL(たまに妖艶な既婚女子)が突然「いけない、ながらに乗り遅れる!」と叫んでいた。この時間になればもう帰る気がない(帰れない)だろうと思っていた若い狼(これは誓ってオラではない)は「え、帰るの?ながら?なにそれ!?」と・・・。

 以前にも書いたが丑三つ時の草木は決して眠ってなどいない。午前二時の安倍川の土手の賑やかなこと。

 これからの季節、そこでも虫達が「ちょっと待って、すごくいい草で作った家あるから!」「え、もう帰るの?とっても美味しい花があるんだけど」と雌を口説くのであろう。自らの遺伝子のレゾンデートルを賭けて。

 そして歌う。精一杯の声で。負けるなよミュージシャン。

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by livehouse-uhu | 2018-04-29 11:32 | Comments(0)  

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