なんべんも何か云ひたさうにしてはすこしわらって下を向いてゐる

 オラは岩手で生まれ育ったので、宮沢賢治の詩を読んだ時にいくらかの優越感を持って「ああ、これはきっと岩手県の人間にしかわからないだろうな」と思うことがある。

 かなり著名な評論家や、宮沢賢治研究の第一人者と言われているような方がまるで見当違いのことを書いていたりすると、なんだか気の毒になってしまう程だ。

 しかし、宮沢賢治の「こっちの顔と」という作品には、普段主に自転車で街中を移動している人なら誰でもとてもよくわかる一節がある。

 「昨日見たよ。自転車で駒形通りを走ってたでしょ?」とか車に乗ってた人に言われるよね、みんな。


 
 こっちが知らないで たゞ鹿踊りだと思って見てゐたときに

 この人は面の下の麻布をすかして 踊りながら昔の友だちや知った顔を

 横眼で見たこともたびたびあったらう

         「こっちの顔と」~春と修羅(宮沢賢治)

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by livehouse-uhu | 2016-06-04 18:24 | Comments(0)  

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