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オラの中の9.11

 アメリカ同時多発テロに関するオラの認識や感じ方に一番大きな影響を及ぼしているのは、ヒストリーchで放送された「アメリカを変えた102分」だと思う。

 日本のマスコミではほとんど公開されなかった、一般市民が撮影し たビデオや監視カメラの映像、警察や消防の無線音声などを時系列にしたがってつなぎ合わせたものだ。

 慟哭、怒り、悲しみ。崩れ落ちるビル、白い煙、足を引きずりとぼとぼと歩く屈強な消防隊員。あの強い強いアメリカの一敗地にまみれた姿。

 TVクルーにマイクを向けられた(まさにその当日その場所の)市民の声。

 「こんなけだものども(テロリスト)に地球上で生きる権利はない!滅ぼしてやる!!」

 「友人と連絡が取れないの。彼女はあのビルの中に・・・」

 「今、話をする気にはなれない。すまないね」

 「アメリカをなめるなよ!このままではすまさない。戦争だ。今すぐに!」

 「ママ、ママ、ビルが消えちゃった」

 「なんて、なんてこと・・・」

 事件後には、様々な立場の様々な人が様々な意見を述べ、すべてが陰謀だったという説まで含めて、いまだに何の答えも出ていない。もちろんこれからも出ないのだろう。単純な正義と悪で片付けられることなどこの世には(たぶん)ない。

 ある保守系論客は言った。「正直、その手があったか~!!と思ってしまった」

 ある左翼リーダーは言った。「原因はアメリカの覇権主義にある」

 ある常識人で知られる作家は言った。「どんな理由があれテロや暴力は許されない」

 ある毒舌の評論家は言った。「カルト宗教だろ?国連軍が殲滅すべきだよ」

 アメリカは、「世界の警察などやってられんわ」と言いだし、当時のテロリストよりもさらに残虐な「国」と名乗る組織が勢力を伸ばし、国際社会はどう対応すべきか確固たる意志を表せずにいる。

 何か意見を表明するほどの勉強もしておらず、知識も見識も持たないオラは、身体がこわばるほどの恐ろしい映像を見ながらふと自分の中だけで思う。

 アメリカの存在がどうあれ、テロリストにとっての大義がどうあれ、ことの是非のはるか前に自分の中だけで思う。

 「こういうやり方は大嫌いだ」

 それは、卑怯だから。

 

by livehouse-uhu | 2015-09-11 21:38 | Comments(0)  

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