そのさびしさでおまえは音をつくるのだ

 スーパーでヘッドフォンをかけて買い物をしていても、レジで自分の順番が近づいて来たら外す。当たり前だけどやっぱり失礼だと思うからだ。

 レジでは小銭を用意したりポイントカードを探したりといろいろ忙しく、ヘッドフォンを頭から外して首にかけるだけでウォークマン本体は止めない。そう大きな音量で聴いてはいないし。

 ある日、買い物が終わった辺りでちょうど太田裕美の「手作りの画集」の「茶色の鞄」が始まり、危うく泣きそうになってあわててヘッドフォンを外した。レジで泣いていたらバカみたいだものなぁ。

 支払いを終え、袋を下げて土手の道に登り、再びヘッドフォンをかけた。「茶色の鞄」は最後の曲なので「手作りの画集」は終わって次のアルバムが始まっているはずだ。オラは音楽を必ずアルバム単位でウォークマンに入れる。

 油断してた。夕暮れの安倍川の土手でヘッドフォンから流れて来たのは・・・。

 しゃがみこんで、泣いた。こらえきれず嗚咽が漏れた。しばらくの間動けなかった。寒くてよかった。店で使う「紫蘇水菜葱シラスピザ」用のシラスが腐ってしまうところだったじゃないか。


 
 何があったのか知りません 大地が大きく揺れたけど

 白服マスクの人が来て 旦那さん達と消えました

 何故か牛舎が開いていて 牧場の柵も開いていて

 おっかなびっくり外に出たら 春の暖かい日差し

 野良牛の冒険だ 初めての星降る夜

 野良牛の冒険だ これからはおまえ次第

 生まれ落ちたのは小屋の中 抱いてくれたおかみさん

 その愛だけを胸に秘め 言われるとおりに育った

 仲間が時々連れられて 二度と帰って来なくても

 疑うことは知りません それが運命と教わった

 人の都合で生まれ育ち 人の都合で放り出され

 時が来れば始末に来るという

 せめておかみさんを喜ばせたかったな

 野良牛の冒険だ 初めてのざわめく森

 野良牛の冒険だ これからはおまえ次第

            「野良牛の冒険」~チバ大三

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by livehouse-uhu | 2015-03-26 22:24 | Comments(0)  

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