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いつかゆく道

 駒形市場からアオキにかけての駒形通り商店街は、
じぃじばぁば達の完全無法地帯で、車で走ればいつ自転車が飛び出してくるか分からず、
買い物をしてもレジにちゃんと並ばないなんてのは当たり前、
通路を通ろうにもど真ん中で延々と話し込むオバチャン二人組や、
一向に前進しないおっさんなどだらけで
下手に囲まれたらブラックホールのように身動きが取れなくなる。

 ブラックホールに入ったことはないが。

 オレが精神状態を保つ為に自分に言い聞かせるのは、
「この人達は大東亜戦争で苦労をして国を守ったり、家族を亡くしたりしたんだ。
この豊かな国で買い物が出来るのもこの人達のおかげなんだ」ということだったが、
稀にイライラしていると「だからといってなんでも許すのはやめだ!どけこのクソババァ!」
などと(心の中で)叫んでしまうことがあった。

 最近、岩手の父が体調を崩した。姉の話によるとそんな生易しい物じゃなく、
「これは万が一の準備をしないといけないのか?」と考えるほどだったらしい。

 親不孝の頂点にいるオレが帰りそびれている間にだいぶ良くなったが、
何しろ今までが元気な人だったので
やはり確実に歳月は流れているんだな、なんて妙に神妙な気分になる。

 そして思ったんだ。

 もし親父が一人暮らしで駒形通りで買い物なんかしたら、相当邪魔になるだろうな。
「こっちは商売してるんだよ!」ってな顔で忙しそうな板前さんかなんかが
親父を押しのけでもしたら、オレはきっと許さないな。
「何するんだよ!お年寄り相手に!」って怒るだろうな。

 だいぶ以前に親父が静岡に来た時、安倍川河川敷で消防団が訓練をしていたんだ。
しばらく見学していた親父は、消防団と一緒に体操を始めた。
一生懸命に手足を動かして消防団員の後ろで体操を真似するんだ。
働く人、世の中のためになる人が好きで好きでしょうがないんだよ。

 そんな親父がテキパキ動けなくなった時、
オレ達みたいな世代が文句を言ったとしたら、
そんなヤツはとんでもないを通り越して生きる資格なんかないと思う。

 老人保健施設で働くオレの知っているある看護師さんは、
心を込め、身を削り、自分の腰を痛めてまで老人のお世話している。
金のためなんかじゃないんだ。金の為だけでそこまで出来るかい。
オレみたいに屁理屈こねてるだけじゃなくじゃなく、
本当に身体の悪い人のことを思いやってるんだよ。

 オレも見習おう。街中でもやっぱり目上の人はいたわろう。
みんなが自分の親だと思えばいいじゃないか。

 なんか変に常識的でありふれたオレらしくないブログになっちゃったな。 

by livehouse-uhu | 2009-11-26 17:53 | Comments(2)  

Commented by れいこ at 2009-11-26 23:16 x
今日のJIMMYさん(ソロ)の最後の曲を聴いて、
私も同じようなことを思いました。
今日は行って良かったです。
Commented by シンヤ at 2009-11-27 13:33 x
 JIMMYちゃんのラストは「人生が二度あれば」でしたね。
ありがとうございました。また待ってますよ。

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