夜空に花開く
安倍川の土手を自転車で走っていたら数台のトラックが止まって道を塞いでいた。普段は人と自転車と犬くらいしか通らない遊歩道のような場所である。
川沿いには鉄パイプを組んで柵が作られている。そうか、安倍川花火大会が近づいて来たんだな。
トラックの周りには職人さん達がたむろしている。まだ作業前の準備か休憩らしい。オラが自転車を降りてトラックの横をすり抜けようとすると、親方らしき人が頭を下げた。
「すいませんねぇ、狭くして。通れますか?」「大丈夫ですよ。花火の準備ですね」「そうっす!」「ご苦労様です。暑いけど頑張ってください」「あざっす!」。
他の職人さんも肩に道具をかけたり腰に作業ベルトを巻いたりしながら立ち上がり、口々に「どうも~」「うぉえぃ~っす」「気ぃつけて~」などと言うのだった。
その中にひとり、金髪でとびきり若いのがいて、その子だけはニコリともせず睨みつけるようにこちらを見ている。不機嫌そうに缶コーヒーを飲み、地面を蹴っている。
「さっさと通れや」とでも思っているのか、オラに声をかけた親方にも視線を送るがやはり無言。先輩達から少し離れて背中を向け、じっとこれから仕事をするのだろう安倍川の河川敷を見つめている。
う~ん、なんというか、その、つまり、これはもうオラの趣味っつうか癖っつうか、うまく表現出来ないんだけど・・・ああもう!格好いいなぁ!!
怪我、すんなよ。みんながお前さんの仕事に期待してるぜ。羨ましい。
by livehouse-uhu | 2016-07-21 09:57 | Comments(0)