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色褪せた夢Ⅱ

 オラもサラリーマンだった頃があるので、会社に限らず大きな組織の中では個人の正義感など押しつぶされてしまう場合がある事くらい知っている。善良な人間が100人集まって意見を集約した時、何故か善良ではない答えが出てしまったりするしね。それが人間というもので、だから戦争はなくならないとも言える。

 「会社は仲良しクラブじゃないんだ!」「文句があるなら利益を上げろ」「弱肉強食の世界」「きれいごとじゃ出世出来ないよ」マンガみたいだが、実際に何度も聞いたセリフだ。

 オラはそういう言葉や考え方が嫌いだから会社を辞めた訳だけれど、だからといってそれを信奉する人が間違っているとは思わない。そういう人はそういう風に生きて行けばいいだけで、その中に価値を見出すならもちろんそれもいい。頑張って。身体を壊すなよ。

 だが、いや、だからこそ、「これだけは譲れない最後の砦」がなかったら、いったい何のために生まれて来た。もし君が技術者なら、それは自分が創り出した製品の品質であり、性能ではないのか。広告や売り方はどんなに気に食わなくても任せる。好きにやってくれ。しかしカタログ数値だけはインチキを許さないぜ。それが当たり前ではないのか。

 オラはせめて、不正に関わった技術者は悔しくて悔しくて唇を噛みながらやむを得ずやってしまったんだと思いたい。そうでなければ救われないから。

 世界の若者の心を震わせた「小さなモンスター」ランエボが、泣いている。

by livehouse-uhu | 2016-05-02 13:57 | Comments(0)  

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